宮崎市清水にある松井歯科医院です。一般歯科・インプラント・口腔外科・小児歯科・顎関節症などの治療が行えます。
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入れ歯の治療

金属床義歯(チタン床義歯)の利点について


金属床義歯(チタン床)
金属床義歯とは義歯の主要部分を金属で作った義歯のことです。一般的に義歯にはプラスチック(レジン)の義歯と金属の義歯があります。保険治療の対象となっているのは前者だけで、残念ながら金属の義歯は保険対象外になります。金属はプラスチックに比べると強靭ですので、たわみもなく残った歯と歯ぐきに優しく、また、義歯を全体的に薄く、小さめにすることも可能で異物感が少なくなります。また、当医院では、金属にチタンを使用しますので人体に対して優しいため金属アレルギーの恐れが少なく軽く丈夫に作れますので破折の心配なども少なくなります。さらに金属は表面が滑沢であり、吸水性もないので、沈着物も付きにくく汚れにくい特徴があります。また、熱伝導性が高いので食吻の冷熱変化が判りやすく、味覚も感じやすくなります。そして、もっとも大きな利点として、金属の義歯は残っている歯の状態により義歯のデザインが自由に設計できるということです。

ノンクラスプデンチャーについて

金属バネを樹脂に置き換えるという発想から、今までとはまったく違うユニークな義歯床用の素材です。床が従来のレジンではなく、熱可塑性ポリアミド(ナイロン)弾性樹脂を使用しているため、歯に接触する床部分を薄く作るほどその弾性が増し、歯牙をしっかりと包み込みます。そのため金属バネ(クラスプ)を使用することなく入れ歯を作ることができます。

今まで不可能だった鉤歯(クラスプをかける自分の歯)の下の歯肉まで樹脂を回り込ませる設計が可能で、歯肉の形状にピッタリ調和させ、生活上のどんなたわみにも、フレキシブルに対応させることができます。

金属を使わず、歯肉に調和するため審美性にも優れています。また、素材の性質が安定しているため、従来のレジンに見られるアレルギーの心配がありません。吸水性も格段に低く、樹脂内部まで汚れたり臭いが染み込んだりもせず、不快な口臭を抑えることができ衛生的です。
主成分は外科用縫合糸のポリアミドナイロン
■ 低アレルギー
■ 吸水性はアクリル床の1/10
■ 弾性があるので割れにくい
■ 比重が軽いため装着による違和感が少ない
■ 寸法精度が良いためガタつきが少ない
■ 熱によって修正可能
金属バネを使った義歯 ノンクラスプデンチャー  

すれ違い咬合の問題点について

すれ違い咬合とは、上下顎に残存歯があるにもかかわらず、垂直的な噛み合わせが失われている状態。すなわち自分の歯で噛む所がなくなってしまった状態を言います。すれ違い咬合の臨床的問題点としては、咬合の不安定、咬合の高さ・咬合平面の乱れ、顎堤の異常吸収などが挙げられ、したがって治療が困難で、良好な予後の獲得が難しいことが多いと言われています。治療方針としては、各種補綴治療により失われた噛み合わせを回復させること、回復させた噛み合わせを維持・安定させることが目標となりますが、特に噛み合わせを長期にわたって安定させるためには定期的なメインテナンスおよび補修処置が不可欠になります。

義歯が緩くなる原因と対応について

何年かたってくると義歯が緩くなってくることがよくあります。緩くなる原因として最もわかりやすいのは、歯ぐきがやせて義歯とあわなくなった、というものです。しかし、緩くなる原因というのはそれだけではありません。
緩くなる原因としては

①歯ぐきがやせた
②噛み合わせが悪くなってきた、義歯の歯がすり減ってきた
③歯ぐきがやせた+義歯のかみ合わせが悪くなってきた(① ②)
④部分義歯の金具が一部壊れた

というものが一般的に考えられます。原因がどれによるかで対応は変わってきます。①は状態にもよりますがリベースと言って義歯の内面を合わせることで対応します。②は人工歯の咬合面再構成、もしくは人工歯の置換を行います。③の場合は義歯の新製をお勧めします。④は壊れた金具の修理を行います。このように状態によって対応は変化します。

歯の喪失とその心理的影響について

歯を次々と喪失していくと誰でも不安になります。本来歯があったときに培(つちか)われたイメージがあるからです。それは、機能的にも心理的にも審美的にも、若さの象徴でした。歯が欠け始めると、十分な咀嚼が出来ないことから、栄養摂取から健康への不安が生じます。容貌の面でも老けてみえ、不安感が加速されます。総入れ歯に至るまでに、部分床義歯を経験するわけですが、それ等によって補なわれた時の安心感を忘れたわけではありません。それと同時に味わった苦痛も忘れることができないと思います。自分の歯と違って、格段に機能が劣ります。それは入れ歯の歯(人工歯)の数が、多くなればなるほど、徐々に劣っていったと思います。取り外しの際の不便。口の中の違和感。不潔になる。容貌の老化現象。会話時の不自然さ。それが、総入れ歯になるとなれば、不安の極に達し、時には入れ歯ノイローゼと呼ばれる状態にも陥ることがあるわけです。
不安の程度は本人の性格、体質 要因、環境などでいろいろですが、ほとんどの人が不安を抱くはずです。しかし、それまでの義歯経験から、総入れ歯の装着に期待を抱く人も沢山います。より若返って見える。もっと噛めるようになるなどです。入れる直前の不安感は 以上のように一般的なものです。 いざ装着が始まるとより一層不安感が増幅されます。それが不適合義歯(合わない入れ歯)の場合、術前の不安が現実のモノとなって義歯に関心が集中し、複雑な心理は拒否反応へと変化します。ついには、”義歯ノイローゼでは?”と言われる場合もあります。このようにならないためにも日々のプラークコントロールをしっかりすることで虫歯や歯周病による歯の喪失を予防できるのです。

唾液が義歯に与える影響について


唾液の分泌不足は、「総入れ歯」にとって大敵です。義歯の吸着が悪くなることなどがそれです。通常、義歯と口腔粘膜の間には唾液の薄い膜が存在し、陰圧状態を保つことで維持しています。唾液は食べ物を飲み込むのに都合よく、食物と混ざり合って一塊のブロックにする(食塊形成)役目も持っています。従って、不足すると食物をうまく飲み込めない(嚥下困難)事態が起きます。
また、義歯との間で潤滑油の役目もあります。適合の良い義歯を作っても、粘膜がカサカサした状態ですと、吸着が悪くなり、擦れることで痛みや、ジョク創を作ります。そして、会話が不便になります。唇がうまく滑らないことにより、発音できなくなるからです。シェーグレン症候群や糖尿病の人の口腔内に見られることが多く、高齢者の方は複数の疾患に罹患していることが多いため、服用している薬の副作用としても、唾液の減少が起きることがあります。
また、精神神経用剤や、鎮咳去痰剤、消化性潰瘍治療剤等、一般的な薬の常用で口渇感を訴えることもあります。 閉経期の女性にもこの傾向があります。頭頚部への放射線照射の副作用の場合もあり、義歯が原因ではなく、他の全身疾患の影響で義歯が合わずに痛いという現象がみられる事になります。口腔腺には幾つかのものがありますが、義歯の物理的刺激を受ける、直接的なものは、口蓋腺(上顎義歯)、舌下腺(下顎義歯)等が考えられます。無論、他の口腔腺も義歯の影響を受けて、唾液の分泌量が変化します。

不適合な義歯や不適切な設計の義歯による影響について


噛めない・落ちる・話しにくい・痛いなどはべつにして、こんな症状のある方は義歯のせいかもしれません。
(義歯装着後からならその可能性が高いです。)

肩こり・腰痛・頭痛・偏頭痛・生理痛・手足のしびれがひどくなった。顔が歪んだような気がする・笑顔が変。口紅が塗りにくくなった。姿勢が悪くなった。肌がかさかさしてきた。とりあえず体がすっきりしない。などなど。

これは義歯を作る時の噛み合せ、高さのズレからきているものです。適正な顎の位置が狂っているのです。もちろん、それ以前から狂っている方もいます。歯が少しずつ無くなっていく過程でずれていくのです。  
 
正しい顎の位置に直してやれば改善していきます。

簡単な見分け方
・目の両端に結んだ線と、唇の両端に結んだ線が平行でない。(手鏡に平行にテープを張って顔を写して見る)
・立ったときの肩の高さが違う。⇒ 義歯の左右の高さが狂っています。
・唇の端に下向きの皺がでている。⇒ 義歯の高さが低い。

義歯は体の臓器の一部です。義歯が危害を加えてはいけません。健康のためはやく噛める、正しい顎の位置の義歯を入れてください。

オーバーデンチャーのいろいろ

① 残根上義歯
歯の根には歯根膜と呼ばれる感覚器官がついています。残根を残してその上にかぶせる入れ歯を残根上義歯というのですが、残根上義歯の場合は歯根膜が残っているため

1.物を噛んだ時の感覚が残る
2.歯茎がやせにくい
  入れ歯を使うと下の歯茎がやせてくるのですが根が残っているとそれを防ぐことができます。

ただ、根っこだけの状態の歯は大変汚れがつきやすいため、後々炎症が起こる可能性はあります。
残す場合は丁寧に掃除を行い清潔に保つことが必要です。
② ロケーターインプラントアタッチメント義歯
 当院におけるロケーターインプラントアタッチメント義歯になります。写真でお分かりのように服のスナップボタンの凸がインプラント側凹が義歯の
 内面についています。これによってカチッとはまり込み発音や咀嚼の時に浮き上がったり、はずれたりするのを防ぎます。

「義歯が破損したら…」

義歯ケア 「義歯が破損したら…」
義歯を修理するには、お預かりして歯科技工士さんに修理してもらう方法と、チェアサイドで修理する方法があります。レジン床の修理では壊れた部分を新しいレジンと置き換えます。クラスプが壊れた場合は印象を取り、後日新しいものを付け替えます。いずれの場合も一度壊れたところは再度壊れる可能性が高くなるので、適合と使用法についての確認が必要です。また、義歯の適合が非常に悪かったり、支台歯に問題がある場合などは新しく作製した方が良い場合もあります。

破損を防止するには
①着脱時
義歯をはめるとき途中で噛んで入れないようにする。しっかりと指で押し込んで入れる。義歯を外すときは、クラスプを一方から引っ張らない。義歯完成時に先生から取り外しの説明をしてもらいきちんと行う事が大切です。
②清掃時
義歯を洗うとき洗面台に落して破損するケースが多いので、洗うときはしっかりと保持する。
洗面器に水を張った上で洗うなど工夫する。
③保管時
外したときは水や義歯洗浄液の中に入れておくようにすると義歯紛失や変形の防止になる。ティシュに包んでおくと家族が間違えて捨ててしまう事があるので注意する。また、クラスプがゆるくなったからと自分でペンチなどで曲げてしまうとかえって変形してしまったり折れたりするのでやらないこと。
④リコール時
リコールにより義歯と口腔環境の異常を早期に発見できるので、自覚症状がなくても半年から1年に1回は歯科医院に来院してもらう事が大切。

義歯の安定について


(1)義歯不適合とは
一般に、問題なく咬める義歯は合っていると考えて良いと思います。一方、痛みがあったり口の中で動いて困る義歯は、合っていないと言えます。安定の良い義歯は、実際に食べる時も安定している義歯であり、このような義歯は、疼痛が少ないようです。しかし、安定の良い義歯でも疼痛が生じることがあります。それは、粘膜の厚さが薄くなって、傷が付きやすくなったりした時です。このような場合には、少しの圧力変化でも粘膜に傷がついて、感染を起こして腫脹するために義歯性の疼痛が生じます。このような場合には、義歯が合わなくなったのではなく、顎提が合わなくなったのです。また、顎の骨が高度に吸収している場合では、義歯作成が困難になります。粘膜が薄く傷つきやすい場合も同様で、口腔乾燥や清掃不良が原因で生じることも多くあります。日常の義歯使用法が不適切であると、細菌感染や血行不良などで炎症や顎骨吸収を起こします。義歯使用で、残存歯が伸びてみえる症例がありますが、これは、口腔ケアの不良等で、顎骨吸収が生じ、義歯が低くなった場合に多いようです。

(2)義歯の安定   
安定の良い義歯は、口を軽く開けても、落ちない。何も食べない状態で上下をかみ合わせても義歯が動かずに安定して、痛みがない。食物が口腔内に入った状態でも義歯がずれず、痛みがない。このような場合義歯が安定してると言えると思います。義歯が不安定な場合や、疼痛がある場合には、義歯が動揺したり、動きすぎている場合が多く、粘膜の状態が良好な場合には、義歯不適合の原因にはなりにくいですが、口腔粘膜が薄くなって義歯と適合しにくくなると、奥歯で咬合する事で、義歯が動くようになります。これは、顎堤部が斜めになっていることに起因している場合が多く、このような症例では、義歯人工歯の調整が必要となります。義歯が動く原因として多いのが、顎堤と人工歯の位置がずれている場合で、このような場合には、義歯人工歯の位置を再調整するか、人工歯の位置を変更します。

(3)義歯と口腔環境
義歯使用の指導では、義歯の適合度を判断する必要があります。口の中をみて、顎提が十分にある場合は義歯の安定も良くなりますが、顎提がほとんどない状態では、義歯安定は困難になります。粘膜に炎症がある場合や口腔乾燥があると義歯が安定しません。寝たきりの患者さんや全身状態が低下している患者さんは、口腔乾燥や唾液分泌低下の場合が多く、粘膜が弱くなります。このような場合には、適合の良い義歯でも痛みが出てきます。粘膜に潰瘍や感染症がある場合には粘膜の治療が必要になります。

義歯の管理と定期検査について


すり減った人工歯
当歯科医院には毎日のように義歯の調整や修理にこられる患者さんがいらっしゃいます。
それではなぜ、そのような事が必要になってくるのでしょうか。義歯を装着した患者さんは、義歯を使用している間に、上下顎の顎堤形態の相違および位置関係、残存歯の有無、あるいはその状態、さらには個々の咬合、咀嚼習癖、食習慣などによって、骨吸収による顎堤形態の変化、あるいは歯の移動が時間の経過とともに認められ、生体と義歯との間に不調和が生じてきます。したがって、この不調和を是正することにより、有床義歯によって回復された形態と機能を維持することができます。この不調和の是正と改善のためには有床義歯の管理を的確におこなう必要があります。義歯の使用期間が長くなると、義歯の材質が劣化し、人工歯はすりへり、変化した顎に合わなくなった義歯は安定感を失い、痛みや義歯が割れる原因となります。
また、合わなくなった義歯を使い続けることにより、身体に悪い影響を与える事もあり、義歯の寿命(義歯の調整や修理や復元できる状態)は短くなってしまいます。しかし毎日のお手入れと、定期的な検査を受ける事により、義歯の寿命や調子のよい状態を長く保つことは可能です。年に1,2度の定期検査をうけることにより、顎や義歯の痛みを早期発見し、修復不可能になる前に処置が行え、義歯の調子が良い状態をそのまま保つことができます。現在、お使いの義歯の調子が良い悪いに関係なく、専門の歯科医の定期検診を受ける事をおすすめします。

総義歯の装着と唾液の分泌について


スプリント装置
これは総義歯装着者に知っておいて頂ければ、唾液分泌量のコントロールのヒントになります。
全身疾患に大きな問題がない場合、軟らかいモノよりやや硬めのものの方が、咀嚼時唾液分泌量が多くなります。強く噛むことで増大し、嚥下運動も多くなることが知られています。義歯や、矯正装置、スプリント(顎関節に異常がある場合などに装着する)などを装着するとやはり分泌量の増加があります。
義歯の維持に大きな影響を及ぼす唾液も、いろいろの試みで改良される余地があることがお分かりでしょう。食生活(味や硬軟、咀嚼時間)の違い、唾液の粘性、口腔周辺の筋力などで、そのチェックには専門知識が必要になるため、総義歯装着時唾液の分泌量まで問題視する歯科医は少ないのです。口腔内が乾き気味で擦れて痛い場合は、全身病状、くすり等の他、唾液量にも考えを及ぼしてみて下さい。
対策には、全身疾患の治療、副作用を引き起こす薬品の変更、唾液分泌促進剤の服用などがあります。簡単な対処療法として、食用油等を塗って乾燥状態を取り除く事もあります。よく患者さんが市販の入れ歯裏装剤(○○デント?)をつけて惨憺たる状態の義歯を持ってくることがあります。充分な知識がないままで使用することは非常に危険でお奨めできません。 
顎関節に悪影響をおよぼすこともあります。これらはいずれもしっかりした担当医の指導のもとで行ってください。
咀嚼することで唾液の分泌が促進される事は誰でも知っています。もし、充分に噛むことの出来ない義歯が装着されていると、分泌量が減少したりします。まず、噛める義歯を作り、充分に味覚や咀嚼を喚起し、唾液の分泌促進をはかられることを、お薦めします。

義歯作製時のチェックポイントについて


当医院では義歯を新製する場合、いきなり型をとって作ることはしません。まず現在使用されてる義歯の状態をチェックします。場合によってはその旧義歯を審美的にも機能的にも改善し、調和のとれた状態で使用してもらい、お互いに納得してからそれを新義歯に移行していきます。この義歯に求める審美性や機能性におけるチェックポイントについてお話します。
審美性とは、義歯が患者さんの容貌にどれくらいマッチしているか、その自然感を表します。ここでチェックするのは、歯の形態、色調、大きさ、配列位置(人工歯の並び方)個人的な容貌への欲求等です。歯の形、色、サイズについて見ますと、多くの組み合わせがあり、その患者さん個人にもっとも適した組み合わせを選択します。

機能性のある義歯とは、義歯の命である、よく噛めて痛くない義歯のことです。よく噛めない、落ちる、粘膜を噛む、疼痛がある等が機能的な面からの主訴になりますが、これらを解消する事こそ、義歯作製の使命になるかと思います。しかし良い義歯を作るのは、た易いことではありません。製作に関する理論背景は非常に深いものがあり、加えてテクニック上のコツと思えるものも沢山あります。これらがうまくかみ合って成功することになります。まず、粘膜に適合しているかどうか、人工歯の配列位置が適当かどうか。人工歯の咬合面形態は適しているか、顎の動きに調和しているかどうか、などいろいろの学術上のチェックポイントがあります。
何もしないのに落ちる場合は型とりの不正確、適合精度の悪さなどがあります。また頬や舌を噛むというのは、人工歯の配列位置が悪い場合が多いです。鋭い山状の咬合面は時として顎の動きに調和せず、義歯の転覆につながります。そのためよく噛めないということになるのです。粘膜に疼痛を訴える場合は、顎の粘膜が薄く骨に強く当たる場合や、唾液が少なくカサカサ擦れることも考えられます。

このように、審美的、機能的にいろいろなチェックポイントをふまえた上で義歯を作製していきます。

入れ歯のお手入れ用具の紹介

歯磨きを毎日するように、入れ歯も毎日のお手入れが必要です。
入れ歯は、天然歯のように自然の浄化作用がないため、歯ぐきの隙間などに汚れがたまりやすく、カンジダ菌というカビの一種が繁殖しやすくなっています。お口の清掃とは別に、必ず取り外し、入れ歯専用のブラシや、入れ歯洗浄剤を用いて、入れ歯を清潔に保ちましょう。

○入れ歯専用ブラシ(ライオデント)
 清掃面に毛先がよくフィットする硬軟2つの植毛で、広い面から細かいところまで効率よく清掃ができます。
 2種類の毛を使い分けて、就寝前や起床後、お食事の後などこまめに清掃しましょう。 
 ※歯磨き剤には研磨剤が含まれているものが多く、傷ついて細菌が発生しやすく粘膜の炎症や口臭の原因にもなるので、入れ歯洗浄時には使用しない
  ことが望ましいでしょう。

○入れ歯洗浄剤(ピカ)
 2種類の洗浄剤が入っており、汚れの程度によって使い分けます。
 酵素の力が菌を溶かし、食べカスや不快な臭いを取り除き、入れ歯と口腔内を健康な状態に保ちます。また、活性酸素がタバコのヤニや黄ばみなどしみ
 ついた汚れを取り除きます。
 
一日の汚れをきれいに洗い流してあげることが健康的にも大切です。健全な歯を守るためにも、毎日の清掃を心がけましょう。

デンチャーバイオフィルム


義歯にもプラーク、色素、歯石が蓄積されます。蓄積されたバイオフィルムを適切に洗浄できないと、局所的な義歯性口内炎、さらにはより深刻な全身疾患を引き起こすことがあります。

デンチャープラークは、口腔細菌、真菌、その他の有機体の複合体で1mg中に30種類以上からなる10の11乗以上の微生物を含むとされています。また、バイオフィルムは粗い義歯表面により蓄積されやすく、義歯床の表面粗さが増加するほど菌の付着が多くなるとの報告もあります。義歯にもプラーク、歯石が付着することと、その為害性を認識し、適切な洗浄をおこなうことが重要です。

スポーツマウスガードの必要性について



スポーツ用マウスガードの主な有効性は、歯や顎の外傷予防・脳震とうの防止・軽減ですが、他にも様々な特徴があります。

 1 口腔内の外傷を予防
 2 顎の関節を保護
 3 筋力・運動能力がアップ
 4 歯の摩耗の防止
 5 脳への衝撃の緩和
 6 咬合を安定させることによりバランス感覚がよくなる

スポーツ用マウスガードは製作方法によって大きく2つにわかれます。市販品とオーダーメイドの二種類がありますが、歯科ではオーダーメイドを取り扱っているのでこちらの紹介をします。

マウスピース装着時の競技遂行上の阻害要因であった「しゃべりにくさ」が市販品と比較すると大きく改善されており、オーダーメイド品の特徴として色を任意に配色できる点があり全単一色のものから数色使用したカラフルなものまで様々であり、デザイン性がかつてより向上していることも特徴です。

<マウスガードの装着の使用状況>
●義務化されているスポーツ
 ボクシング・アメリカンフットボール

●一部義務化されているスポーツ
 ラグビー・ラクロス・サッカー・バスケットボール・水球・ハンドボール・フィールドホッケー・
 アイスホッケー・空手・レスリング・柔道・相撲

※スポーツの規定により、使用できない色調もあります。

義歯のメインテナンスについて


 
部分義歯には、残存している歯に抱きつく形の繊細な金属のクラスプ装置などがありますから、決して力を入れた手入れはしないで、丁寧にやさしく清掃してください。その際、綿棒や、細かい部分も清掃しやすい義歯専用の歯ブラシなどの使用をおすすめします。よく口の中に入れたまま義歯を磨く患者さんもおられますが、必ず口から外して行うようにしてください。 これもよくある例ですが、義歯を消毒と称して熱湯に浸けたり、煮沸する方もおられますが、義歯が変形しますので絶対におやめください。

不衛生な入れ歯を使い続けていると、入れ歯に付着した・食べ物のカス・カンジタ菌・細菌・たばこのヤニ・食物の着色などのデンチャープラークの影響で歯茎が炎症を起こしたり、口臭が発生したりしやすくなります。また、部分入れ歯の場合には金属のかかっている歯に汚れがたまりやすくなって、虫歯や歯槽膿漏をおこしやすくなります。特に介護の必要な方や体力の低下している方は、このデンチャープラークが食物の残りカスや唾液とともに誤って肺に入り、誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。
義歯を使用する患者さんは、もちろん高齢者が多くを占めています。義歯を入れることはお口の中に非常に汚れが残りやすい状態になります。清掃が不十分な場合、歯そのものが動揺し、周囲の歯肉の炎症や出血を伴う歯周病がかなりの頻度で見られます。また、使用している義歯の汚れも目立ちます。義歯表面のヌルヌルや食べ物のカスは細菌の温床で、口臭発生の原因になり、さらに歯肉に悪影響を及ぼしてきます。
このような悪循環によって、義歯や歯の周囲の汚れ即ち歯垢に存在する口の中の細菌は,ますます増殖しやすい条件が整ってきます。手入れの極度な不備による汚れは強固に付着しており、私たち歯科医師でも閉口することがあります。
義歯の汚れの中でも、歯石のような白色もしくは灰白色の硬い沈着物が、義歯の表面に見られることがあります。ブラシなど通常の方法での除去は困難ですが、決してカッターやナイフを使用しないでください。傷をつけたり破損の原因にもなるからです。必ず歯科医師による判断のもとで研磨し直してもらって下さい。比較的簡単に、きれいになります。
『 入れ歯の保管 』

入れ歯専用の保管容器を用意しましょう。
入れ歯にはきちんとした保管方法があり、間違った保管ををすると入れ歯を傷めてしまう原因にもなります。入れ歯は熱や乾燥にとても弱いのでそのままの状態で保管すると、変形やひび割れの原因にもなってしまいます。

清潔な水を入れて入れ歯をつけておくようにしましょう。中の水は、必ず毎日取り換えて清潔に保つようにしてください。汚い水の中でつけておくことは、かえって細菌を付けてしまうことになってしまいます。入れ歯をきれいに保つことは、お口の中の状態をきれいに保つことにもなるのです。
また、せっかく作製した入れ歯を失くしたり落としてしまう患者さんも増えていますので、紛失防止のためにも保管容器を用意することをお勧めします。

義歯の症状とその対応について


(1) 義歯を入れると痛い
粘膜面と義歯床が合っていない状態。形態的には適合している場合でも、粘膜の薄さが部分によって異なる場合や、粘膜下の顎骨が突出している場合には、調整が必要になります。
(2) 咬んだときに義歯がずれる
義歯の人工歯の側面に指を当てたままで、咬んでもらうとわかります。極端にずれる場合は、かみ合わせが合っていません。このような場合には、義歯調整や歯科治療が必要になります。
(3) 食事時に咬むと痛い
何も食べない時は痛くないが、実際に咬むと痛い。このような場合は、義歯の噛み合わせが合っていない場合と、顎骨の吸収で顎提が低くなっている場合。残存歯が炎症で浮いて、鈎歯(バネのかかっている歯)が合わなくなっている場合。対応としては、人工歯の位置調整、鈎歯の調整、義歯床の調整などが必要になります。
(4) 口を動かすとはずれる
筋肉の力や形態と義歯が合っていない状態や粘膜面が適合していない場合。義歯の辺縁部の形態を筋肉や小帯の動きに合わせる必要があります。粘膜面に適合しなければ歯科医師からリベース(義歯粘膜面の再調整)をしてもらいます。
(5) 食物の残渣物等が残っている場合
義歯と粘膜の間に、食物残渣や小さい異物が残っていると痛みが生じます。とくに、不溶性顆粒タイプの薬剤等は要注意になります。義歯の適合を良くして、口腔清掃と義歯ケアを徹底します。
  (6) 義歯安定度の検査法
上顎義歯は粘膜面が広くとれるため、比較的安定する義歯が多いのですが、トラブルが多いのは、下顎の義歯で、下顎義歯の安定度は、一番後方の人工歯を上から指で押さえた時、義歯がほとんど動かなければ安定に問題は少ないが、万一、前方や側方にずれて動く場合は、食物を咬んだ時動いている可能性が高いといえます。
歯が残存している場合には、下顎の左右の最後方の人工歯を指で交互に上から押します。残存している歯を支点にして、義歯が動く場合には、残存している歯が炎症で浮いた状態にあるか、顎提が低くなって合わなくなったのかのどちらかになります。
  (7) 咬み合わせの検査法
下顎の義歯の場合、奥歯のかみ合わす面(咬合面)の舌側が頬側よりも高くなっていると義歯が安定しにくい。下顎骨の形態と機能から考えると、舌側の面の方が高くなると義歯が顎の動きに反する事になり、痛みや骨吸収、義歯脱落などを起こすことになります。実際に上顎義歯前歯の前面を指で押さえたまま咬んでもらいます。このときに、押されて義歯が動いたり、歯が動くようであれば、咬み合わせの調整が必要となります。

義歯研磨面の重要性について

義歯を作る時にはその型とりをしますが、多くの方は歯ぐきの型とりだけで義歯が出き上がると思っておられるでしょう。しかし実際義歯は、粘膜面(歯ぐきが乗っかる部分)だけでなく、咬合面(歯どうしが噛み合う面)と研磨面と呼ばれる頬や舌、口唇などに接する部分によって構成されており、この研磨面が義歯の安定には非常に重要とされる部分なのです。頬や舌、口唇などは動きますので、その中でいかに義歯を安定に結びつけるかが、義歯作りの重要なポイントになってくるわけです。そしてこの研磨面の形態によって、義歯の安定だけでなく、口元や顔全体の表情までもが大きく変わることになるのです。簡単にご説明しますと、総義歯の方が義歯を外された顔を想像してみて頂くと分りやすいと思いますが、頬や唇が内側にへこんだような顔貌になってしまいます。これは頬や唇を内側から満たして張りを与えているものがなくなったせいなのです。つまり言い換えれば、歯のなくなった方の顔貌に張りを与えているのは義歯だということになるわけです。
現在お使いの義歯が、それ自体きちんとフィットしているにもかかわらず、下顎の義歯がプカプカと浮き上がったりする場合や、上顎の義歯がお茶を飲もうとした時に落ちる場合には、人工歯の配列されている位置や、この研磨面の形態を見直してやることでその症状が大きく改善される場合もあるのです。

リベースとは


顎堤の吸収により不適合になった
義歯の直接法によるリベース
義歯は適合のよいものが新製されても、装着期間が長期になると顎堤部分の形態が変化し、義歯床の沈下が起こります。そしてこれにより疼痛や褥瘡を引き起こし、義歯床の維持・安定が損なわれてしまうようになるのです。リベースとは、このような状況を改善すべく、義歯床と義歯床下粘膜との再適合を目的に人工歯を除く義歯床内面を新しい義歯床用材料に置き換える術式になります。この術式には、直接法と間接法がありそれぞれ長所と短所があります。また、長期間の使用による義歯床の変色や、繰り返しの修理などで審美性に問題が生じた場合にも用いられます。リベースはすでに口腔内で組織として機能した、長期間使い慣れた義歯の一部を換えるので、患者さんにとって感覚的に受け入れやすく、また経済的・時間的にも利することが多いようです。 しかし、リベースは人工歯の排列位置や形態・色・咬合関係が良好である場合のみ適応でき、前歯部の審美性や咬合関係に問題がある場合、顎関節に異常がみられる場合などは、新しい義歯を製作しなければなりません。       

暫間義歯(ざんかんぎし)の目的について

歯を抜くと、奥歯ならものが噛みにくくなりますし、前歯ならものが噛み切りにくいということになります。ことに前歯を何本も抜いたりすると、話す時に息が漏れて、ふがふがと不明瞭な発音になり、一気に年寄りじみてしまいます。しかし、だからといって、歯を抜いたその日に義歯をいれてしまうということはできません。義歯をつくるのにはかなりの時間がかかりますし、抜歯した跡が完全に治って歯肉が安定するのに最低でも一ヶ月はかかります。
そこで、とりあえず暫間義歯(ざんかんぎし)(即時義歯、仮義歯)を入れておくわけです。暫間義歯はそのほか、これまで使っていた義歯が合わなくなって新調する場合、また、かみ合わせを矯正する必要がある場合、治療用義歯として用いられます。この場合には、少し長い期間、暫間義歯を使用してから、本物の義歯を入れます。
暫間義歯を入れるときは、歯を抜く前に歯形を取り、抜く予定の歯の暫間義歯をあらかじめ作っておきます。床のついた、両側の歯にクラスプをかけて維持させるタイプになります。材料は金属やレンジなど、入れ歯やクラウンと同じです。そして、それを抜いたところへ入れます。これでとりあえずは抜いた次の日から不便をしたり、みっともない思いをしたりせずにすみます。しかし、あくまでも暫定的な義歯ですから、そのままでは不都合が生じてきます。抜歯した傷が治ってくると、歯肉の状態が変わってきて、暫間義歯の床との間に隙間ができたりするのです。もし、本物の義歯ができる前にそういう不都合が生じたら、暫間義歯の床の裏打ちをするなどして合わせます。
抜いた場所の傷が完全に治って歯肉が安定したら、本当の義歯をつくります。それができあがれば暫間義歯は用済みとなるわけです。

義歯を入れたがらない高齢者について

歯の欠損が少ない場合は咬むことに余り支障を感じないことがあると思います。しかし歯の欠損があるということは、その前後の歯は欠損側に移動し、対向する歯も延びてこようとします。
それによって、残っている歯全体の噛み合わせのバランスが崩れ、口の中や顎等に様々な病気を引き起こす原因となります。さらに多くの歯が喪失しており、数本のみ噛み合う歯が残っている場合は、多少噛むことができたとしても、残っている歯への負担が大き過ぎることがあります。その結果、残っている歯を歯周病でだめにする確率が大きく、将来的に総入れ歯になる可能性も少なくありません。もしお年寄りの方で入れ歯を入れたがらない場合、噛む必要の無い食生活になることが考えられます。人の老化防止については種々な意見がありますが、噛むという行為が筋肉や舌等を意識的にあるいは反射的に反応させ、脳や身体の老化防止を防ぐ一因になると思われます。食生活への欲望等、人としての欲がなくなると精神的つまり、脳に対する刺激が減り、いわゆる痴呆にもつながることが考えられます。このような場合は、食に対する興味を維持させることが大切であると考えます。

部分床義歯の使用上の注意点について

部分床義歯とは一本だけの入れ歯の方から、一本だけが自分の歯という方までの全ての場合を指します。ですから、奥歯がなく前歯のある方や前歯がなく奥歯のある方、片側だけが入れ歯の方や両側共入れ歯の方、小さな入れ歯を入れておられる方から大きな入れ歯をお使いの方まで、部分床義歯の患者さんには、さまざまなケースが考えられるわけです。
この部分床義歯が総義歯と大きく異なる点は、前述のとおり残存歯があるということであり、それらの何本かには、バネのような維持装置がついている点です。そして、歯科医師はその設計にあたり、まずどの歯に維持を求めるかを考えるわけですが、これは入れ歯にかかる力を想定した力学的計算から算出されるものでもありますし、また患者さんの装着感なども考慮に入れなくてはなりません。
そうして出来上がった部分入れ歯を皆さんにお使い頂くわけですが、入れ歯というものは他のものとは違い、お口に入ったその瞬間から何でも食べられるというようなものではありません。義手、義足、義歯・・・みな同じで、これには使いこなせるようになるためのリハビリテーションが必要になってきます。
この部分床義歯をお使い頂く上において最も気をつけて頂かなければならない箇所は、その維持装置のかかってる歯です。この部分床義歯というものは歯と粘膜の両方でその力を支える歯牙粘膜負担という構造になっているため、装置のかかっている歯が入れ歯を支える大きな役割を担っており、そこにはかなりの負担がかかってきます。その上、装置のせいでその歯には汚れが残りやすく、不潔にもなりやすいのです。
ですから、できれば毎食後、少なくとも就寝前には必ず入れ歯を外し、その入れ歯をきれいに洗ってやると共に、残っている歯、特に装置の架かっている歯を丁寧にブラッシングしてやる必要があるわけです。
また、入れ歯をお口に入れたままでは、決してお休みにならないで下さい。粘膜は押さえつけられたまま、歯は負担をかけられたまま、尚且つ口腔内を不潔にしたままの状態で寝ていることになるからです。
そして、入れ歯には乾燥が大敵ですので、何かの容器に水を張り、その中に浸けておやすみ頂きたいと思います。(入れ歯洗浄剤に浸けて頂くのは、2~3日に一回程度でいいと思います。)

義歯の定期検診の必要性について


顎の骨が吸収し不適合になった義歯の修理
義歯装着後、時間の経過とともに、義歯床下の粘膜の下にある骨が少しずつ吸収することにより、義歯が沈み合わなくなります。義歯が破折したり、金具が外れたりするとすぐに不具合を感じますが、骨が吸収し義歯が沈んだ事はなかなか気付きません。その結果、噛み合わせに異常がでたりします。

不適合な入れ歯をいれて骨が減った状態のレントゲン写真
また、一部自分の歯が残っている場合は、針金のかかっている所だけ元の高さに残り、そこから遠い所は沈み、義歯が少し傾斜することになります。このようになると、針金のかかっている歯には異常な力がかかり、動揺したり、痛くなったりいろいろな病気を誘発することになります。また人それぞれの食習慣や特有な癖や歯軋りにより、義歯の人工歯(白い部分)が咬耗し、さらによく噛む側と噛まない側で、人工歯の減り方が違ってくることから、噛み合わせにずれが生じ、骨の吸収とあいまって、気がつかないうちにお口の中の義歯は、非常によくない状態になっております。骨の変化は年齢や歯を抜いた時期によっても異なり、また、義歯床下の粘膜の性状や厚さが部位によって違い、その下にある骨の構造などで、噛む力の受け方が均等でないため場所によって、骨の吸収量が異なりますが、このような状態にならないためには、半年から一年に一度、定期検診を受けて、義歯の状態をチェックしましょう。

アタッチメント義歯について  2・磁性アタッチメント義歯

磁性アタッチメント義歯
残っている歯がごく少数になってしまった場合その歯を短くして、すっぽりとその上から義歯をのせてしまいます。このような義歯を『オーバーデンチャー』と呼びます。残った歯が少なくなった人は、義歯にかかる力を顎の粘膜と残った歯で上手に分担しなければなりませんが、オーバーデンチャーはそのための有効な方法です。このオーバーデンチャーの内面に小さく強力な磁石を埋め込み、その力で義歯を歯に吸い付かせるのです。義歯を維持するには、金属のバネの力を利用したり歯をがっちりと包み込んだり、さまざまな装置がありますが、磁性アタッチメントは、外観上金属が見えずに、しっかりと歯に支えられ、しかも歯を揺さぶることがないという特徴を持っています。残った自分の歯で少しでも義歯を支えることができれば、噛み心地もずいぶんよくなります。もちろん義歯が転覆することも口から飛び出る心配もなくなります。

残っている歯を削合

磁性金属セット

プラスティック義歯装着

義歯内面に磁石セット

義歯の取り扱いについて


洗浄剤および専用歯ブラシ
義歯は高分子化合物のレジンと呼ぶプラスチックが使われています。この物質には僅かですが吸水性があるので、表面から臭いの元となる物質が入るのです。臭いの原因となる物質は、義歯に付着した食物残渣が口の中の細菌によって腐敗して悪臭が生じるので、食後には義歯を流水下で義歯専用の歯ブラシで洗い、また義歯洗浄剤を時々使用して原因を除くことが大切です。
原則的に義歯は夜間の就眠時は外したほうが良いと指導しています。義歯を使って食事をすると、義歯の下の歯ぐきは噛む力を受けるので圧迫されます。顎の粘膜を休ませるためには義歯を外すほうが良いのです。義歯を清潔に保つためや、義歯が乾燥して変形したり、ひびが入ったりしないように、夜寝る前には義歯を洗って、水中あるいは洗浄液中に保管します。
義歯を外すとかみ合わせが不安定になってしまう患者さんの場合には、夜間も装着したままにしてもらうことがあります。その場合でも、少なくとも数時間程度は義歯を外して、歯ぐきを安静にします。義歯を入れたままにすると粘膜と義歯とが常時接触しているので、口の中の細菌や真菌類の刺激で粘膜が赤くなり、義歯が原因の口内炎になることがあります。夜間に義歯を外すか否かは、歯科医とよく相談することが大切です。

義歯の作成および装着後の調整について


型をとった模型      かみ合わせの決定


義歯の完成        仮の義歯の完成


義歯の完成
仮の義歯が十分に口の中に合っていても、完成した義歯を装着してみると、かみ合わせが高いとか、義歯が当たって痛いなどの問題点が出る場合もあり、義歯の調整が必要になってきます。また、いくらよい義歯でも装着直後は、多少の違和感はありますので、患者さんは数日間、我慢して装着し、様子をみることが必要です。
違和感があるからといってすぐ義歯を外してしまうと、なかなか口の中になじまず、慣れないという結果を招くことになります。もし、義歯が歯ぐきに当たって傷がつくことがあれば、早めに受診し義歯を調整することが大切です。
義歯を入れるには、口の中の型をとり、上下の顎の高さ、前後左右の位置関係を決め、口の中を正確に模型上に再現します。そして、歯の大きさ、形、色を決め、仮の義歯を作り、患者さんの口の中にうまく合っていれば、最終的に仕上げます。

型を取った模型(部分床義歯)

維持装置の試適

かみ合わせの決定

仮の義歯の試適

義歯の完成

義歯の種類について


総義歯

部分床義歯
義歯の種類は大きく分けて2種類あります。全ての歯が無くなってしまった場合に入れる義歯を『全部床義歯』または『総義歯』といいます。歯が残っている場合すなわち、歯が一本抜けてしまった場合から一本のみ歯が残っている場合まで、様々な歯の抜け方がありますが、そのような場合に入れる義歯を『部分床義歯』といいます。全部床義歯の構造は比較的単純で、人工の歯の部分と歯肉に相当する部分から構成されています。このため義歯の維持には歯肉部分の適合が重要になります。部分床義歯の場合は、その構成は複雑で、歯肉部分で安定させる義歯から、残った歯によって義歯を安定させる義歯があります。そのために様々な維持装置(バネ)が義歯に付着してあります。その維持装置を通常は『クラスプ』と呼びます。歯肉部分の材質はレジン(プラスチックの一種)で作られますが外から見えない部分には薄く作ることのできる金属を使用した義歯もあります。