宮崎市清水にある医療法人 至誠会 松井歯科医院です。歯科・インプラント・口腔外科・小児歯科・顎関節症などの治療が行えます。
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インプラント

保険適用 CAD/CAM冠について

はじめにCAD/CAM冠とは

歯科用CAD/CAM装置を用い、均質性及び表面性状を向上させたハイブリッドレジンブロックから削り出された白い歯冠補綴物です。
診療報酬改定により、小臼歯部にのみ保険適用となりました。

CAD/CAM冠の利点
・保険適用なので安価。
・白い色をしている。
・天然の歯とかみ合わせても、天然の歯が削れにくい。
・噛んだときのあごへの負担が少ない。
・金属アレルギーを起こさない。

CAD/CAM冠の欠点
・保険適用内だと、前から4,5番目の歯にしか使えない。
・白いですが、色調が単調。
・年数が経つと、変色してくることがある。
・強度が低く、割れることがあるので力がかかりすぎる歯牙には不適用。

保険内での治療の際には金属冠、CAD/CAM冠かご相談下さい。

「中高年の歯肉のおとろえ」

しっかり噛めて、食事が美味しくいただけるのは楽しいことです。しかし年を取るにしたがって、食欲が減り、顔にシワが増え白髪が目立つようになります。同じように歯にも変化が起きてきます。一番困ることは歯肉がやせて歯の根の部分が露出してくることです。もともと歯肉のなかにあった部分で、柔らかく傷つきやすく、硬い歯ブラスでゴシゴシ磨くと削れてしまいます。歯の根の部分の虫歯は、歯の横腹に洞穴を開けるような形で進行します。中高年から急激に歯の根の虫歯が増えています。治療が難しいところであります。予防のために生涯を通じて、口の中をいつも清潔に保つ習慣をもち続けることが大切です。

頬の筋肉もかたくなっていませんか。歯磨きのついでにお口の筋力アップとして、歯ブラシで左右お頬の内側の咬筋をマッサージしましょう。

根管治療:すぐに痛みが引かないのはなぜ?

根の治療では、痛みのセンサーである神経を取ってしまうので、治療後すぐに痛みがなくなると思われがちですが、治療後しばらく痛みが続くこともよくあります。根の治療は、歯の中を通っている神経を切除する外科手術です。歯を通る神経は、アゴの骨の中を通って脳へとつながっています。この神経を一部だけ切り取ることになるため、怪我をして縫ったときなどと同様に、痛みが数日続きます。また、歯の神経を取った後も、歯の外側にある神経は残っていますし、歯に加わる力の鋭敏なセンサーである歯根膜の存在もあり、感染が強く、歯の外側まで影響が及ぶと、これらの器官の関与する違和感や痛みが生じてしまいます。

細菌をしっかり取り除いても、生体の力で炎症を押さえ込むためには、やはり一定の時間が必要になります。健康な人でも治療後には痛みが出ますし、治癒に向かう期間には個人差があります。

根管治療:再治療が難しいのはなぜ?

歯根の治療は、成功すれば歯の寿命を延ばすことができる、歯を残すための最終手段です。
しかしすべての治療がうまくいくわけではありません。掃除、殺菌剤で治療をしても、それをかいくぐって歯根に残った細菌の感染力が、からだの抵抗力を上回ってしまった場合、または、いったん成功しても、クラウンの縁などから細菌が根の内部に入り込み、ふたたび感染してしまった場合、再治療(再根管治療)が必要になります。ところが最初の治療に比べると、2回目以降の治療は格段に難易度が上がり、成功率が低くなってしまいます。

歯の中にはすでにしっかりと詰め物がしてあり、細かく枝分かれした根管にも入り込んでいます。歯根の先まで詰まっている詰め物を残らず取り除くことが難しく、届かせたい場所に殺菌剤が届きにくいため、成功率が落ちてしまいます。
根の治療は治療を重ねるごとに技術的にも難易度が高くなります。神経をとった歯はよほど進行しないと痛みなどの自覚症状が出ないため、発見も遅れがちになります。定期的にメンテナンスを受け、早期発見を心がけましょう。

根管治療について

根管治療では、根尖病巣の原因となっている細菌で汚染された象牙質を、慎重に根気よく、ファイルという金属の細い器具でかき出します。そして同時に、先端まで消毒薬や充填剤を詰められるように根管の形を整えていきます。
ただ根管のなかには、治療が困難なものもあります。根管の形態は複雑で、途中で枝分かれしている、網状に広がっている、S字に曲がっている、それがさらに立体的にうねっている、また根管が見つからず探すのが難しい場合など、治療が困難な根管の方がむしろ多いのです。大臼歯にいたっては、3根管以上あることも少なくなく治療には非常に時間がかかります。しかし、このような根管でもできる限り細菌を取り除く必要があるため、複雑で高度な治療が要求されます。
きれいに掃除したあとは、消毒し次回の治療まで仮封をします。経過観察を経て、掃除と消毒の効果で炎症が治まり始めたことを確認したら、根管充填をおこないます。すると生体の治癒力で炎症が治まり、根尖病巣が徐々に小さくなって治っていきます。しかし中には、掃除と消毒を繰り返し経過をみても、なかなか状態がおちつかず、中から排濃や出血があるなど、組織の回復力が得られない場合は、やむを得ず抜歯することがあります。つまり根管治療は生体の治癒力を最大限に引き出すための治療なのです。
以上のことにより、根管治療が外から見えない微細な場所の治療だけに、大変根気のいる難しい治療であることがおわかりいただけたと思います。それゆえに時間がかかるのです。

虫歯菌で脳出血リスク4倍

代表的な虫歯の原因菌は「ストレプトコッカス・ミュータンス」です。
口の中で虫歯の原因となる「ミュータンス菌」の一種が脳出血のリスクを約4倍に高めることを大阪大や浜松医科大、横浜市立大などのチームが突き止め、9月の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ電子版に掲載されました。脳出血の新たな危険因子とみられ、予防や治療薬の開発につながる成果です。ミュータンス菌は日本人の60~70%が保菌しています。ミュータンス菌のうち「コラーゲン結合タンパク質」を持っている特定の菌に着目し、このタイプの菌は日本人の約8%が持ち、脳出血の患者では約30%が保菌していたので、発症リスクは約4倍になるようです。菌は口移しなどで母子感染する恐れもあるので、普段からお口のケアをしっかりしましょう。特に小児の2歳~4歳のころ歯の表面の細菌のバランスが決まるので、家族でお口をきれいにしましょう。健康な人が保菌していても問題ないが、高血圧やストレス、老化、喫煙などで血管が弱ると脳出血を起こしやすくなるので、生活習慣に気をつけましょう。

歯髄炎

歯髄炎とは、神経と血管が通っている歯の中心部の歯髄に起こる炎症で、痛みを伴います。歯髄炎の最も多い原因はむし歯で、次に多い原因が外傷です。炎症が軽い場合は、治まれば歯に恒久的なダメージを与えることはありませんが、重症の炎症では歯髄が壊死します。

症状
歯髄炎は、歯に激痛を引き起こします。歯髄の健康状態を推測するために歯に熱い刺激や冷たい刺激などを加えて、反応をチェックするテストが行われます。このとき、刺激を中断しても痛み続けたり、あるいは自然に痛みだす場合は、歯髄はすでに手遅れ状態になっているおそれがあります。さらに電気歯髄診断器による、歯髄の生死判定が行われます。このテストの結果、歯に流された少量の電流によって痛みを感じれば、歯髄はまだ生きていると判定されます。しかし歯の上を軽くたたかれたときに痛み(打痛)がある場合、多くは炎症が周辺組織にまで広がっています。

治療
早期に発見できれば、歯髄炎が起きている歯に鎮静薬を含む物質(仮封材)を一時的に詰めて(暫間充てん)、痛みを鎮めることができます。この仮の詰めもの(暫間充てん材)は、6~8週間歯に詰めたままにしておいてから取り出され、代わりに最終的な充てん材が詰められますが、即時に詰めることもよくあります。歯髄の損傷が大きく回復不可能な場合は、痛みを止める最後の手段として、根管治療または抜歯によって歯髄が抜き取られます。

治療を中断すると?

歯を削ったりした後に治療を中断すると冠や入れ歯が合わなくなったり型の取り直しや歯の削り直しをしないといけなくなります。
また、根の治療を途中で止めると、根の先の病巣が大きくなったり痛みが出たり腫れたりすることもあります。ひどくなるとむし歯や根の先の病巣が進行し歯を抜かなければならなくなってしまうこともあります。しっかりと治療を終了させることが大切です。
 

根管治療について

虫歯は歯の組織が酸によって溶かされたもので、歯についた細菌が口の中にある砂糖などを養分にして酸を作ります。初期の虫歯なら、歯磨き指導や予防処置などで治すことができますが、象牙質や歯髄にまで虫歯の影響が及んだ場合は根本的な治療が必要になります。
<従来の治療>
ドリルのようなもので虫歯の部分を削り取り、埋めるための穴を作ります。ドリルの音は聞くだけで痛そうですね。また、歯を削るときの振動が歯髄に伝わって、神経を刺激すると、痛みを感じてしまいます。

<レーザーを使った治療>
圧迫感のない小さな音で、振動もなく、虫歯の部分だけを最小限に取り除くことができます。虫歯の状態によっては痛みもほとんど感じません。さらに、レーザーを当てた部分は硬くなって、歯が強くなり、歯の組織を保護します。またレーザーの殺菌作用により虫歯菌の増殖を抑え、治りを早めることもできます。虫歯の程度によってはレーザーを当てるだけで治る場合もあります。

どうして砂糖を食べるとむし歯になるの?

むし歯は、口の中にいる虫歯の原因菌(ミュータンス菌)が、食べ物の中に行っている砂糖(ショ糖・スクロース)を栄養に、歯にしっかりとくっついたり、酸を出して歯を溶かすことでできます。一回食べるとプラークは酸性になり歯が溶け出します(脱灰)。しかししばらくすると、唾液や歯磨きにより中性にもどります。この元に戻っている時間が長いと、むし歯になりにくい生活習慣といえます。一日三食以外に、頻繁にお菓子を食べたりジュースを飲むなどしていると歯が溶け出す(脱灰)時間が長くなり、むし歯になりやすい口腔環境になって行きます。
次の絵は、食べ物にスッティクシュガー(一本8g)で、何本分の砂糖が含まれているかを表しています。食べ物には、糖分が含まれていますが、お菓子類や嗜好飲料、ジュース、コーラなどには意外と多くの糖分が含まれているのです。
甘い物を食事代わりにしていませんか? ストレスから甘い物を食べてしまいませんか? 頻繁に甘い物を食べていませんか? 飲み物は、ジュース類が多くありませんか?  砂糖を入れた紅茶や、コーヒーを頻繁に飲んでいませんか?
心当たりのある方は、注意が必要です。全身の健康のためにも、さとうをじょうずに摂る事がたいせつです。日ごろのセルフケアと、歯科医院での定期チェックを心がけましょう。
<一日の食事を振り返ってみましょう。>  
バランスよく、摂れていましたか? 間食は、多くありませんでしたか?  

カリエスリスクについて

歯磨きをがんばってもすぐ虫歯になる人とほとんど歯みがきをしなくても虫歯にならない人がいます。虫歯になりやすい人はカリエスリスクの高い人、なりにくい人はカリエスリスクの低い人ということになります。これは虫歯がある特定の菌によって作られる感染症であるということと、食生活や運動、休養、喫煙、飲酒などが影響する生活習慣病としての一面を持っていることが関係あります。カリエスリスクは一人一人の口の中の菌の数や唾液の量や質、毎日の食事や飲み物によって大きく異なります。飲食物中の糖が歯垢の中の虫歯菌によって分解され酸が産成されるとPHは急激に酸性になります。そしてこれが続くとこの酸の作用によってカルシウムイオンとリン酸イオンが溶け出して、表面が脱灰を起こします。しかし唾液には口の中の酸性度を中和する働きがあり歯垢中の酸が中和されるとカルシウムイオンとリン酸イオンが取り込まれる現象が起こります。これを再石灰化といいます。歯の表面ではこの脱灰と再石灰化の二つの現象が繰り返し起こっています。そして脱灰と再石灰化のバランスが壊れ再石灰化が脱灰に追いつかなくなったときに初めて歯に穴が出来るのです。このバランスが壊れる原因が虫歯菌の数(歯垢の量)、唾液の量や性質、飲食回数などによって左右されるわけです。よってあなたの口の中に虫歯菌が多く、唾液の量が少なく酸性に傾いていて、その上たびたび食べ物や飲み物を口にする習慣があればあなたは間違いなく虫歯になりやすい状態にあるといえます。

根尖性歯周炎(根尖病巣)とは

根尖部歯周組織の炎症と根尖周囲の骨の破壊を特徴とする疾患であり、虫歯から起こる化膿性歯髄炎(神経の炎症)や歯髄壊死(神経が死んだ状態)歯髄壊疽(歯髄が死んで腐敗した状態)にひきつづき根管内に侵入した細菌が原因で発症し根尖部に膿瘍(膿がたまった状態)、嚢胞(うみの袋)を形成します。

細菌学的に根尖性歯周炎に罹患した歯の根管からは多種類の細菌が検出されることから、根尖性歯周炎は各種の根管内細菌の混合感染により発症すると考えられています。これらの細菌が根尖部歯周組織に侵入する経路としては、解剖学的に歯髄腔(神経や血管が通っている空洞)は根尖孔あるいは根尖の側枝などを介して根尖部歯周組織と交通していることから、根管内の細菌感染はこれらの小さな穴から歯周組織へと広がります。よって根尖性歯周炎は主に根尖孔からの細菌感染により発症し、まず急性炎が起こりその後、根管経由の炎症性刺激の減弱に伴い慢性炎へと移行する場合が多いですが一方初めから慢性炎として発症する場合もあります。
これらのことから根尖性歯周炎の治療は原因を除去することが基本となります。主な原因である細菌の感染した根管の壁、根管象牙質を清掃、除去したのち緊密に根管充填をして封鎖します。


根尖病巣レントゲン写真(左から2本目)

フッ素の効果について

フッ素とは、天然の物質で自然界に広く分布しており、私達の日常の飲食物にも微量に含まれていますが、う蝕(むし歯)予防法の一つとしてフッ素は使用されています。歯の表面(エナメル質)では唾液を介して脱灰~再石灰化(エナメル質がカルシウムやリンを取り込み石灰化する現象)が常に繰り返されています。歯垢のpHが低下すると脱灰が進行します。しかし、歯垢中のフッ素レベルが高いとフッ素がイオン化し、う蝕細菌による酸産生を抑制し再石灰化の促進が生じ、またエナメル質表層のフッ素レベルが高いと、再石灰化のためのフッ素を供給することによりう蝕抑制となるのです。
特に乳歯や、萌出したばかりの永久歯の歯質はう蝕が進行しやすいので、乳歯の1~4歳、永久歯6~14歳頃に有用性があります。また、成人の根面う蝕の予防へのフッ素応用も効果的です。しかし、フッ素はあくまでも歯質強化であり、歯磨きをおこたるとう蝕は進行します。
フッ化物の応用法には、定期的に行う歯科医師・歯科衛生士によるプロフェッショナルケアと、家庭で毎日行うセルフケアがあります。
    
[プロフェッショナルケアに使用するフッ素]

[ホームケア]
歯科医院でフッ素塗布直後は、歯の表面のフッ素濃度が急激に上昇しますが、摂食やブラッシングの磨耗によって、フッ素濃度の高い歯の表面は失われていきます。そこで、失われたフッ素を取り戻すためと新しく萌出してきた歯面のために、毎日のホームケアと定期的な塗布(1年に1~2回)を繰り返すことが大切です。   

シーラントとは?

奥歯のかみ合わせの面には、小さな溝があります。この溝は深く様々な形態をしています。この溝の中の歯垢の除去は困難で、ハブラシだけでは不十分な場合もあります。そして歯垢がたまったままになると虫歯になります。シーラントとはその溝に歯を削らずにシーラント剤という歯科用の薬をつめて、歯垢の侵入を防ぎ清掃性をよくして虫歯の予防や進行の抑制を行ないます。

シーラントの適応は?
小児や幼児の虫歯になる危険性が高い歯に適応します。

1.萌出して間もない永久歯(大人の歯)
歯の表層のエナメル質が幼弱で、歯垢により脱灰されやすい。乳歯と永久歯の混ざった歯並びの時期は、清掃が困難であったり、年齢的におやつを食べたりする回数が多いので虫歯になりやすいです。

2.第一大臼歯(六歳臼歯)
生えてくる期間が1年から1年半と長くかかり、生えてくる途中で歯肉の一部がかみ合わせの面を覆う形になり歯垢の侵入を避けることが難しく、歯垢の除去が困難で虫歯になりやすいです。
シーラントの手順
1.咬合面(かみ合わせの面)の清掃
  超音波ブラシを用いて歯の溝をきれいにします。
2.酸処理
  エナメル質に酸処理を行い、表層に目に見えないミクロの凹凸を作りシーラント剤との物理的な結合をさせます。
3.シーラント剤を入れる
4.光重合
  特殊な光をあててシーラント剤を硬化させます。
シーラントを行なったからといって絶対虫歯にならないということはありません。自宅でのホームケアが必要です。特に小さなお子さんは自分の歯磨きだけでは、十分な歯垢の除去が出来ず虫歯になりやすいものです。保護者の仕上げ磨きや定期検診が重要です。またフッ素を定期的に塗布することも、虫歯の予防に大きな役割を果たします。

感染根管治療について

虫歯が高度に進行し、細菌が歯の中で広がってしまうと歯髄が死んでしまい、根管内にも細菌が侵入していきます。この感染した根管を総称して感染根管といいます。根管が感染根管になると感染根管内に存在する細菌によって根尖性歯周組織炎というものが起こります。この疾患を治癒させるために根管内の拡大・形成、清掃、消毒、充填することを感染根管治療といいます。
感染根管内には、歯髄の分解産物、根管内滲出液、細菌の産生物質、細菌の分解物質、食物残渣、感染象牙質などが存在します。これらの物質をそのままにすると、根尖部に病巣を形成することになります。したがってこれらの物質を根の外に出すことなく根管内から完全に除去することが必要になってきます。また、痛みをともなう急性炎症の場合でも感染した根管内容物を完全に除去すれば臨床症状は次第に消退していきます。

それでは感染根管治療の実際の手順を説明します。
まず虫歯になっている部分には無数の細菌がいますのでこれを完全に除去します。そして根管口をきれいに露出させます。
歯髄のなくなった歯はもろくて欠けやすいので、治療が終了してきちんと冠などをかぶせるまでは圧ができるだけかからないように上下の歯が噛み合わさることのないようにしておきます。また、歯が欠けることのない様、安全な形に削ります。たくさん削ってしまうように思われるかもしれませんがこうしておいた方が歯の破折を防止できます。
次にこのようなまちばりみたいなもの、これはリーマーとかファイルとよばれるもので、これを根管の中に出したり入れたり何度もして根管内の汚染物質を削除し、きれいにしていきます。
感染根管になっていると根管内の歯質にも細菌が存在しますので根尖部までしっかりと汚染物質を取り除く必要があります。そのため根の長さを正確に測定しなければなりません。そこでメーターのついた機械を使って電気抵抗値をはかって測定する方法をとっています。
また、感染根管内の汚染物質を除去するため細いファイルから順番に根管内を少しずつ削り取っていき、根管拡大、形成を行います。この後薬液の交互洗浄によって根管内をクリーニングします。適切な根管の拡大、形成がされ化学的清掃が完了すると、根の先まで根管を最終的なお薬で封鎖していきます。これを根管充填といい根管中で再び細菌が繁殖しにくくし、根の周囲組織の回復力を促進させます。
根管充填が終了すれば根管にポストをたてて土台を作り、この上に冠などを装着していきます。

むし歯の予防

細菌によって生成された酸は、プラーク中に蓄積され 唾液中への拡散が妨げられ 高い酸濃度を維持するようになります。pHが5.5以下(臨界pH)に低下すると、脱灰が始まります。酸を含んだプラークを取り除いたり唾液の緩衝作用によりpH値が上昇すると唾液中のリンやカルシウムが歯の表面に吸着する、いわゆる再石灰化が始まります。この脱灰と再石灰化のバランスがむし歯になるか、予防できるかの鍵になってきます。

1.細菌に対する予防
まず、歯の表面に付着したプラークを取り除く事が大切です。つまり毎日のブラッシングや フロスや歯間ブラシの使用により細菌をなるだけ少なく保つ事です。 また、PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning) によってバイオフィルムの除去を行うのも効果的です。

2.歯に対する予防
フッ素の応用があります。フッ素イオンは、歯の質を強くし 脱灰しにくくする働きがあります。軽度の脱灰した歯の表面の再石灰化を促したり、 細菌を歯の表面に付きにくくする作用もあるといわれています。家庭でも手軽に行えるフッ素の洗口剤やジェルなどもありますので 歯科医院でご相談されると良いでしょう。

3.糖質に対する予防
プラーク中の細菌は、5%程度の砂糖液(市販されている清涼飲料水は約10%の糖分)を口に含むと約2分でpH5.5以下となりその状態は20分近く続きます。
食事をしてもジュースを飲んでもpH5.5以下になり 少しずつカルシウムは溶け出しますが、唾液の力で中和され一度溶け出したリンやカルシウムはまた歯の中にしみこんで再石灰化されます。1日三度の食事くらいでは、むし歯の原因になるとは考えられませんが 間食として摂取する糖質が問題になります。1日に1,2回決まった時間にしか食べない人なら危険性は低いといえますが、アメやガム、砂糖の入ったコーヒーや 清涼飲料水などを頻繁に摂取するような生活をする人にはその間、歯は酸に浸かっている状態になりどんどん酸による脱灰を起こしむし歯は進行していきます。

 斜線の部分が、脱灰している時間 
 この部分が多くなるほどむし歯の危険性が大きくなる
1日に取る糖分の回数を減らすことでむし歯の予防ができます。
アメやガムを頻繁に食べるのをやめ、砂糖入りのコーヒーや清涼飲料水などを頻繁に飲まない、のどの渇きを癒すときは、水やお茶にするなど生活習慣を改善することが重要です。

むし歯になりやすい所

むし歯になりやすい所は、歯垢がたまりすいところでもあります。

むし歯の進行


C0

C1

C2

C3

C4
エナメル質が少し脱灰されかけ白濁が見られる。この段階では、できるだけ治療せず歯磨きやフッ素で再石灰化が可能です。
むし歯の最初の状態で、エナメル質だけにむし歯があります。自覚症状がほとんどありません。
象牙質まで進行しています。象牙質は、エナメル質よりも質が軟らかいため歯の表面にあいた穴よりも大きくなって、奥のほうに広がっていることがあります。冷たいものがしみるなどの自覚症状が現れてきます。
神経(歯髄)までむし歯が進行しています。甘いもの・冷たいもの・熱いものにもしみてきます。ズキズキ痛むこともあります。 神経は死んでしまい痛まなくなります。しかしむし歯は、進行し歯の根元に膿が溜まり、再び痛みがでたりボロボロの歯根だけが残ります。 骨も犯されます。

歯垢(プラーク)とは?

歯のまわりに付着した白っぽいネバネバしたものを歯垢〔プラーク〕といいます。歯垢とは主に細菌のかたまりです。つまり、単なる食べかすではありません。お口の中には300種類以上の細菌が生息しています。また歯垢1mg中には細菌が約10億個存在するといわれています。この細菌が歯周病や虫歯の原因です。お口の中の細菌は、歯ブラシによるブラッシングや糸を使ったフロッシングによって取り除くことができます。この歯垢のコントロール(プラークコントロール)が、お口の病気を予防・抑制する上でとても重要です。
歯垢の成分

細菌の栄養源
細菌の主な栄養源は、唾液や歯の根元の溝(歯肉溝)から出る浸出液です。むし歯の原因菌(ミュータンス菌)は、糖分が大好物です。

歯垢の性質
①歯にくっつく力が強くたまりやすい
②白血球の食菌・殺菌作用を低下させる
③歯の周りの組織を破壊する酵素を持っている
④毒素で歯を溶かし破骨細胞を活性化させる⇒歯や歯槽骨が溶ける
細菌のたまりやすいところ
細菌は、唾液が循環しにくいところが住みやすいようです。奥歯の溝や歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目、治療でつめた物やかぶせた物の周り、さし歯や義歯の継ぎ目などです。

むし歯の原因

歯の表面に付いたネバネバした歯垢(プラーク)がむし歯の原因になります。これは、生きた細菌の塊で歯の表面に苔のように密生しています。
細菌(ストレプトコッカス・ミュータンスなど)は、糖質を分解して酸を生成し、この酸により歯の表面が溶けていくのがむし歯です。
むし歯の4大要素   
 ①細菌
 ②むし歯になりやすい歯
 ③細菌が酸を作る原料の糖質
 ④細菌・歯・糖分の要素が重なる時間

歯科で使用されるコバルトクロム合金について

コバルトクロムの特徴としては、磨耗しにくい・高温に耐える・腐食されにくいという長所があります。人体に無害のため、コバルトが主成分であるバイタリウム合金が虫歯の治療に使用され、コバルトクロム合金は、金属床義歯(入れ歯の主要な部分を金属で作った入れ歯。口内の粘膜に接する部分。)として多く使用されています。本院ではインプラントの上部構造にも使用しています。
コバルトクロムの短所としてはアレルギーの可能性です。コバルトは人間が出す汗の中の塩素イオンにより溶け出されるため、コバルトアレルギーの人は触れた部分がかゆみ、発疹などが起こり、かぶれたりします。ニッケルアレルギー患者の半数以上の人にコバルトアレルギーがあると報告されています。
コバルトクロムは安定した供給が可能な金属なので、価格の高騰や材料不足が起こりにくく、見ためもきれいです。材料的には扱いにくいものですが、コバルトクロムを使用した修復物は増えることになるかもしれません。

ニケイ酸リチウムガラス(e.max)とは

二ケイ酸リチウムガラスを主成分とした歯科セラミック材料、主にイボクラービバデント社のe.maxという加工システムについて
e.maxの主成分である二ケイ酸リチウムは曲げ強度360~400MPa(メガパスカル)を有するセラミックス材料で、1本の歯でクラウンを製作した場合には非常に高い耐久性を持つ素材です。

<ジルコニアクラウンとの違い>
ジルコニアで作るクラウンの短所は、ジルコニアフレーム(コーピング)に盛られた外側のセラミックの強度が80~120MPaと弱いことです。もちろんフレーム自体が土台となり、衝撃のクッションとなっている事もありますが、1000MPaの強度を持つジルコニアフレームが破損しなかったとしても、盛られたセラミックが破損する可能性もあります。

長所
かみ合わせの強い方、くいしばり、歯ぎしりの方へ有効非常に見た目が良く、ほとんど変色しない
汚れ(プラーク)が付きにくい歯と分子レベルで強固に接着するため、治した部分から虫歯になりにくい強度と透明度がある

短所
フレームタイプにセラミックを盛るクラウンに比べ、複雑な色付けには限界があるステイニング(表面に色を着色させること)した色は、経年の変色を避けられない。

保険外診療の歯の被せものについて

選べる「かぶせもの」のご案内

保険診療で歯の被せものは金属冠かCAD/CAM冠(大臼歯においては条件有り)となります。費用は数千円程度です。 保険外診療になるとメタルセラッミクス(メタルボンドクラウン)、オールセラッミクス、ハイブッリドクラウンがあります。セラミックの利点は経年による変色や摩耗がなく適度な透明感、根元から歯先にかけての美しいグラデーションなど、天然の歯と見分けにくいほどです。しかし、欠点としては割れや欠けの心配があります。また、費用も高額になってきます。

●メタルセラミック冠
メタルセラッミク冠は、金属のフレームにセラミックを焼き付けたものです。 金属で補強しているので耐久性があり、奥歯のクラウン(被せ物)やブリッジの治療に用いられることが多くあります。 しかし、透明感や色調は金属を使用していないものよりも劣ります。

●オーラルセラミック冠
オールセラミック冠は、金属を一切使用せず、セラミック(陶器)のみで作られ金属を使用しないため、金属アレルギーを起こさないという特徴があります。審美的にも優れています。

●ハイブリットセラミック冠
ハイブリッドセラミック冠は、歯科治療に用いられる樹脂素材のひとつです。 レジンという歯科治療用の樹脂素材にセラミック(陶器)の微粒子を練り込んだもので、レジンとセラミックとの中間的な性質を持ち合わせています。透明感や色調、強度はセラミックより劣ります。

歯の被せものの治療費用(保険外診療)
オールセラミック冠 冠のみ 110,000円 (税込)
支台+冠 121,000円 (税込)
メタルボンドセラミック冠 冠のみ 88,000円 (税込)
支台+冠 99,000円 (税込)
ハイブリッドセラミック冠 冠のみ 55,000円 (税込)
支台+冠 66,000円 (税込)
セラミックインレー 55,000円 (税込)